日常業務をスムーズに進めるサポートをし、チームの生産性を向上させるのが「業務効率化ツール」です。実際に、システムの導入により工数の削減や売上アップを果たした企業もあります。
ただし、多くのメーカーが製品を取り扱っているため、どれを選ぶべきか分からない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、業務効率化ツールのメリットや選び方、おすすめの製品まで詳しく紹介します。導入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
業務効率化ツールとは、インターネットやIT技術を使って日々の業務をサポートするシステムのことです。大企業はもちろん、規模の小さな会社でも積極的に利用されています。
また、日本では少子高齢化により労働人口が減少しているため、国もITツールの利用を推奨しています。2017年には、経済産業省が中小企業に向けて「IT導入補助金制度」を導入しました。
このような経緯から、業務効率化ツールを導入する企業は、さらに増えていくと考えられています。
導入による主なメリットは、以下の4点があげられます。
業務効率化ツールは、インターネット環境があれば場所や時間にとらわれず利用できます。そのため、営業先からプロジェクトの進捗状況を登録したり、先方からの問い合わせ内容を自宅で確認できたりと柔軟な働き方が可能です。
さらに、膨大なデータを自動的に入力できるため人的ミスの削減や、チーム間の情報共有により作業効率アップにもつながります。管理に関わる人員も削減できるため、人件費を減らしたい企業にも適しています。
業務効率化ツールは、役割や目的によって種類が異なります。主な種類と特徴については、以下の通りです。
主な種類 | 特徴 |
コミュニケーションツール | SNSなどを使用し、チーム間のやり取りを容易にする |
ファイル管理・共有ツール | 業務に関するファイルの一元管理およびチーム間で共有が可能になる |
タスク・プロジェクト管理ツール | プロジェクトの進捗状況やスケジュールを管理・共有できる |
業務自動化ツール | データ入力や受発注業務などの単純業務を自動化できる |
マーケティング自動化ツール | 顧客対応やメルマガの自動配信など、マーケティングに関する業務を自動化できる |
顧客管理ツール | 顧客とのやり取りや購入履歴などを登録・分析できる |
営業支援ツール | 商談内容や進捗状況など、営業活動の情報を登録・共有できる |
バックオフィス管理ツール | 総務・人事・経理などに関わる業務の効率化により、経営資源を最大限に活用できる |
システムによっては、複数の機能を備えている場合もあります。ただし、あまりにも機能が多すぎると従業員が使いこなせなくなってしまうケースもあるので注意しましょう。
業務効率化ツールは多様な製品があり、機能・料金・特徴などはそれぞれ異なります。ここからは、おすすめの製品を4選ご紹介しましょう。
機能 | 確定申告の書類作成、電子申告 見積書、請求書の作成 経営分析 人事労務 開業手続きなど |
料金 | 【スタータープラン】 個人:980円/月 法人:5,480円/月+従量課金 【スタンダードプラン】 個人:1,980円/月 法人:8,980円/月+従量課金 【プレミアムプラン】 個人:3,316円/月 ※年払いのみ 【ひとり法人プラン】 法人:2,980円/月 |
サポート内容 | チャット メール 電話(プレミアムのみ) |
無料トライアル | あり(30日間) |
AIを使った自動仕分け機能により、まるで家計簿をつけるような手軽さで会計業務ができるシステムです。登録内容に応じて税率を自動設定してくれるため、軽減税率対象の事業者にもおすすめです。
料金も比較的リーズナブルなので、導入しやすいのもポイント。事業規模に合わせてプランを選べるため、幅広い層で採用されているITツールです。
機能 | 社員情報管理 採用情報管理 見積り作成・管理 売上予測作成 商談プロセスの受注管理・予測 など |
料金 | 【スタンダードコース】 1,800円/1ユーザー ※最低10ユーザー契約 【kintone基本設定費用】 100,000円~ ※環境構築、システム設定作業 【NICE営業物語テンプレート費】 要問合せ |
サポート内容 | インターネット 電話 訪問での無料デモサポート |
無料トライアル | あり(30日間) |
営業支援を中心とした機能を提供するシステムです。顧客情報を一元管理できるため、営業担当とサポート担当とで密に連携をとることが可能。実績グラフを自動で作成して売上予測を立てられるため、資料作成の時間も短縮できます。
また、モバイル端末と連携できるので、客先へ向かう移動時間や空き時間が無駄になりません。業務に関わる無駄を徹底的にカットし、生産性を向上させたい企業におすすめです。
機能 | 経理・確定申告 人事労務 決済サービスの連携など |
料金 | 【スモールビジネスプラン】 2,980円/月 ※利用者3名以下 【ビジネスプラン】4,980円/月 ※利用者4名以上 【マネーフォワードERP】要問合せ ※従業員51名以上 |
サポート内容 | 電話 メール チャット |
無料トライアル | あり(30日間または1か月間) |
マネーフォワード クラウドは、経理や会計関連の業務効率化に役立つシステムです。取引に関するデータを分析し、承認や仕分けに関する作業を自動的に実施します。領収書や請求書を自動的に読み込む機能があるため、データ入力の手間も削減できます。
登録された情報を学習する機能があり、使うほどに精度が増していくのも魅力。バックオフィス業務を円滑に進めたい方は、検討してみてはいかがでしょう。
機能 | プロジェクトの進捗管理 顧客情報管理 タスク・スケジュール管理など |
料金 | 【クラウド】 29,800円/月 ※10ユーザーが最小 【シングルテナント】要問い合わせ ※50ユーザーが最小 |
サポート内容 | 電話サポート |
無料トライアル | あり(1か月間) |
プロジェクトを可視化し、業務効率を向上させるツールです。作業者が予定している工程や終了した作業が一目で分かり、プロジェクトの進捗状況を管理しやすいのが特徴。どの業務にどれだけの費用や時間がかかっているかも分かるため、経費削減につながります。
また、各メンバーの業務量や残業の状況も分かるため、ワークライフバランスの適正化も可能。プロジェクトの問題点を明らかにし、解決に向けて動きやすいシステムを探している方に適しています。
自社に合った業務効率化ツールを選ぶためには、以下3つのポイントをチェックしましょう。
各項目について、詳しく解説していきます。
業務効率化ツールは、種類によって得られる効果が異なります。自社で求められる機能を精査したうえで、該当する製品を選びましょう。
また、システムの性質上、ほとんどの製品が月ごとに料金が発生します。ひと月あたりは安価でも、長期間に渡り運用すると、かなりの予算が必要です。導入前に、かけられる予算を明らかにしておきましょう。
企業によっては、すでに何らかのシステムを導入しているケースもあります。新たなツールを採用するときは、既存のシステムと連携できるものを選びましょう。連携できないものを選ぶと、データを手入力する手間がかかり、日々の業務に支障をきたしてしまいます。
連携可能なツールは、公式サイトを調べたり、サポート窓口で問い合わせたりすると確認できます。問い合わせの際は、データの移行方法も同時に確認しておくと良いでしょう。
気になる製品を見つけたら、まずは無料トライアルで使い勝手を確かめるのも大切です。業務効率化ツールを最大限に活用するためには、従業員全体がツールを使いこなす必要があるからです。
トライアル期間では、直感的に操作できるか、見やすいデザイン設計になっているかを確認してください。導入後に使いこなせるかどうか、慎重に判断しましょう。
業務効率化ツールを導入すると、従業員の生産効率を改善したり、経営状況を見直したりする効果が期待できます。ただし、適切な効果を得るためには、自社の状況に合ったツールを選ぶことが大切です。
また、従業員がツールを使いこなせるよう、デザイン性や使い勝手が良い物を選びましょう。気になるツールを見つけたら、まずは無料トライアルで実際に使用感を確かめてみることをおすすめします。